私の名前は川内崇浩。
忙しすぎて美容室に行けず、気づけば半年。
「ロン毛に目覚めた?」と聞かれるようになった、しがない中年社長である。
グループホーム立ち上げ、その現実
今日は、グループホームの立ち上げについて少し書いてみようと思う。
書類と物件だけでは始まらない
物件探しも重要だが、その前に立ちはだかるのが書類の壁。
法人格についての詳細は以前の記事を参考にしてほしい。
🔍 暇があれば「なぜ合同会社を選んだか」についても話していこう。
市区町村の「障害福祉計画」を読め!
最近では「総量規定」により、
どこにでも自由にグループホームを建てられる時代ではなくなってきている。
まずは、地域の障害福祉計画を読むこと。
多くの自治体がホームページで公開している。
読み物としても意外と面白いし、福祉政策の動向もわかる。
成功のカギはマーケティング
- 潜在的な利用者数
- 競合状況
- 地域性
- 必要とされる支援の種類
これらを元に、「どこに・何を・誰向けに」を決めていく。
規模の大きい法人なら勢いで進めることもできるが、
裸一貫で挑むなら、マーケティングの成否が“生死”を分ける。
溶けていく資金――人件費地獄の始まり
① 開業前にかかるお金
- 開業2か月前には職員確保が必要(=2か月分の人件費)
- 開所初月に満床でも、報酬入金は2か月後(=合計4か月分の人件費が必要)
② 採用コストも地味に痛い
- 求人サイト利用→クリック課金(例:Indeed)
- 信頼感アップのためにHP制作→30万円前後は見ておいた方がいいだろう
職員は「未経験+素直」が最強?
新規の会社に応募してくれる経験者は、いわゆる“訳アリ”も多い。
だから私ならこうする。
👥 社長兼サービス管理責任者兼管理者(自分)
👤 社員1名+パート数名体制でスタート。もちろんすべて未経験者だ。
スキルより人間性。
いい意味で「いい加減」な人材が、最初は宝物になる。
入居者も、勝手には来ない
「建てれば人が来る」なんて、幻想だ。
大事なのは宣伝とコンセプト。
たとえば、私ならこの戦略を取る。
- 完全個室
- 発達障害の方が対象
- 喫煙OK(精神障害との親和性を考慮)
- 自立支援型+就労との連携
- 就労援助センター等に的を絞った営業
この戦略の強みはある程度生活をコーディネートしていけばほぼ自立した生活を送れる事にある。そうなると職員の育成に時間を割くことが可能となる。未経験を雇うのもこの為だ。相乗効果が生まれ次の棟を建てる時にさらに戦略の幅が広がる。このコンセプトを貫くも良し新たなコンセプトに挑戦することも可能だ。私ならブランド力をつけていきたいのでこのコンセプトを貫く方向性で行くだろう。
収益の薄さを、どう補う?
ただし、この戦略にも欠点がある。発達障害の方は区分が軽くなりがちだ、ただでさえ自立度の高い利用者を狙う傾向にある。即ち報酬単価が低くなる。
だからこそ加算が必要になる。
- 処遇改善加算
- 加算を取るための管理体制と書類整備も必要
📎 私は以前の会社で処遇改善加算申請を無謀にも一人でやった事がある。無事申請は通ったがかなりの手間だった事を追記しておく。
経営は、甘くない。でもやる価値はある。
マーケティング、物件、資金、人材、実績、信頼、制度……
全部の山を越えて、ようやく「スタートライン」に立てる。
それでもやる人がいる。
それは、必要とされているからだ。
誰かが、「この地域で暮らすことが出来てよかった」って言ってくれる。
その一言のために、私は今日もまた悩んで考えて動いている。
今夜はこのへんで──
ロン毛を撫でながら、もう少しだけ資料を読み返そうと思う。